提案型ウェブアナリスト育成講座受講中 vol.2

Webマーケティング

前回からちょっと間が空いてしまったのですが、提案型ウェブアナリストのオンライン講座(オンライン版)の受講レポートをお伝えしてきたいと思います。

前回の簡単な振り返り(序章〜第2章)

序章から第2章まではウェブアナリストに必要な5つの能力と、ウェブアナリストの活動をDMAICに置き換えての考え方。
DMAICのDefine(目標・KPI)設計の考え方についてまででした。

・ウェブアナリストとして必要な5つの能力
 【設計力・仮説力・施策実行力・情報収集力・情報発信力】

・ウェブアナリストの活動をDMAICに置き換えて考える。
 5つの能力+DMAIC+PDCAでサイトを成長させていく。

・Defineー定義
 目標とKPIを設定して関係者で共有の認識を持つこと。

今回はDefineのKPIに関する設計手法とDMAICの「M:Measure」に関して進めていきます。
分析の前の「測定」、今後の分析以降のステップの為にも非常に大事な部分になります。

ちなみに前回の記事はこちら

第3章:KPI設計手法「ビジネスロードマップ」

第2章までは目標とKPIの考え方を学んできました。でも実際にKPIを決めると言ってもなかなか決めにくいですよね。
そこで、KPIを設計するための手法の1つとして「ビジネスロードマップ」があります。

シンプルに作成できるので、社内やお客様と一緒に作れるといいかと思います。このサイトの接点はシンプル過ぎるので、筆者も実務の方で作成して共有してみたいと思います。

ビジネスロードマップとは?

サイトを利用するお客様の接点からコンバージョンまでを図示化たものです。
作成するメリットは大きく分けて3つあり

  • ビジネスの全体像を把握し、社内での共通認識ができる
  • 現在取得できていないデータを把握できる
  • 導線に基づいたKPI設計ができる

と言った点になります。どの接点や動線を改善するか、可視化できるので、結果的にKPIの設定ができるようになります。

ビジネスロードマップ作成の4つのステップ

ステップ1:手順の図示化(図の作成)

「■」と「→」を使ってユーザー行動を図示化する。
 ■:はユーザーとの接点。オンライン、オフライン問わず記入
 →:は人の動きを表す。

ステップ2:手順の図示化(数値の記入)

ステップ1で作成した図に数値を入れていく。
 ■:訪問数やお問合せ回数、受注金額など
 →:次の接点へ動いた割合。

ステップ3:KPIの選定

どの■あるいは矢印を改善するかSMARTを元に決める。
前回の記事でも書きましたが、ウェブアナリストがKPIを設定したとしても、関係者との目標や認識の認識がずれていたり、施策が実行できないのではKPIの意味がありません。
どの改善が一番実現しそうか、SMARTを使って選定します。

ビジネスロードマップの作成
© 2020 HAPPY ANALYTICS. 

ステップ4:値の選定

選んだKPIに対して改善目標値を決めていきます。
例えば、上記の図ではコーポレートサイトのお問合せ件数を増やす、業種別サイトの流入数を増やす、セミナーの参加人数を増やすなどですが、目標値を決める上で注意しなければいけない点があります。なぜかと言うと

改善目標値を目標の値ギリギリにしない事
  • リソース不足で施策が実行できない。
  • 施策を実行して、接点の数値はクリアしたが、次へ遷移する割合が下がってしまった。

となってしまう場合も起こりえます。
なので施策が3つであれば2つを達成、4つであれば3つを達成すれば、目標を達成できる数値に設定しておいた方が、よりリスクを回避できます。

このようにしてビジネスロードマップを作成していくのですが、大切なのはウェブアナリストが一人で作成して、それで終わらないという事です。
チーム内や上司と共有して確認することで、足りないステップや動線が見えてきたりします。

さらに図示化するだけではなく、レポートに落とし込んで行くことも大切ですね。定期レポートに落とし込む事で、継続してサイトを改善することができると思いますし。
レポートを作成しても、改善提案が通らないと言った状況に遭遇する事はあるかと、そんな時に事前に情報を共有できてたり、レポートに一つ加えるだけで、状況が変わるかもしれませんね。

第4章:【Measure】データ計測に関して

© 2020 HAPPY ANALYTICS. 

4章はDMAICプロセスの「Measure」(計測)のフェーズです。
目標やKPIを設定したら、次はデータを取得して分析しますが、そのデータを取得する必要があります。

Google AnalyticsとGoogle Tag Managerを使って取得するデータを、どのように設計して、実装をするのかを学びました。

データの取得設計

ユーザーはサイト内で、ページを閲覧するだけではなく、資料をダウンロードしたり、動画の再生をしたり、このようなブログではページを読み進めたりなど、ページの閲覧以外にも操作をしています。

取得したいデータを設計する

アクセス解析ツールは、計測タグを各ページに入れただけでは取得できるデータが限られてしまうので、いくつかの設定が必要になってきます。
具体的な計測方法としてはGoogle Tag Manager では、「イベント」「カスタムディメンション」「eコマース(拡張eコマース)」など設定すると、サイト内のユーザーの行動をより広範囲なデータを取得することができます。

設計するには

取得したいデータを設計するには、どのようなデータを取得できるか知っている上で、その設定の実装をする、もしくは実装をお願いする流れになります、図にすると下記のような感じですね。

© 2020 HAPPY ANALYTICS. 

Google Analyticsで取得できるデータは様々です、使い方によっては組み合わせることで、より詳細なデータを取れますし、サイトの種類によっては取るべきデータも変わってきます。

タグマネやアナリティクスの設定方法は、すでに知っている方もいると思うので、ちょっと割愛しますが、講座では振り返りも含めて設定方法を確認できます。

ページュビュー以外のデータも取れる事は分かったのですが、どういったデータを取得するべきか悩んでしまうこともあります。
講座の中では下記のような説明がありました

© 2020 HAPPY ANALYTICS. 

Google Analyticsは様々なデータが取れるので、面白いツールではあるのですが、あくまで目的をぶらさずに、サイトのゴールやKPIを意識して、取得データの取捨選択を忘れないようにしたいですね。

データ取得設計書

取得するデータが決まったら、データの取得設計書を作ります。
アナリスト自らが実装する事は少ないと思いますが、実装する方も必ずしもGAに強いとは限らないですし、実装した後の運用面でも取得設計書を作成しておいた方が情報を整理できて、使い勝手はよいかと思います。

取得設計書に盛り込む内容は、通常のページビュー以外の「イベント、カスタムディメンション、eコマース設定」などの設定を記入します。
実装するための実例や、ボタンクリックのスクショ、クラスやデータを取得しているページなどを入れておけば、担当者以外も取得しているデータの把握ができるので、担当者が複数に渡る場合や、引き継ぐ場合なども便利ですね。

© 2020 HAPPY ANALYTICS. 
データ設計書の例

データ取得設定書

サイトの分析をしていくと、基本的なGoogle アナリティクスやタグマネージャーの設定に加え、上記のような設定が増えたり、更に設定の変更や追加などをする必要が出てきます。
そうなってくると、設定を確認するのに都度ログインをしたり、もしくは担当者に確認するなど、時間のロスが発生することもしばしば。
そこで、予め計測設定シートを作成して、数ヶ月に一度アップデートを行うことで、工数の削減が可能となります。

シートの主な記載項目は下図のようになります

© 2020 HAPPY ANALYTICS. 

他にもGoogleアナリティクスの初期設定項目なども、予め決めておき、シートに基づいた項目を設定するとデータの取り間違えや混乱も防げると思います。

データは取得したデータしか見れない

あたりまえですが、データの分析は取得できているデータからしかできません。
データの取得設計と設定を正しく行えないと、その後の分析・施策実行・改善のステップの精度が落ちてしまいます、Googleアナリティクスやタグマネージャーを入れるだけではなく、ちゃんとしたデータを取るために、データの取得設計や設定が非常に大事な部分になってきます。

今回の学び

正直な所、私も今まではGoogleアナリティクスやタグマネージャーの取得設計を、データの取得前に事前に作成したことはありませんでした…
しっかり分析の骨格を作ることで、その精度も上がって行く事に気づくことができたので、これからは「ビジネスロードマップ・データの取得設計書・設定書」は積極的に作っていこうと思います。

KPIの設定や、データの取得設計、設定はAiなどにすぐにできないとは思うので、「設計力」磨いていきたいと思います。

次回の5章からはDMAICの「Analysis・分析」にいよいよ入っていきます。

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